食品素材:その1

甘藷澱粉 レジスタントスターチ(難消化デンプン)を多く含み、小腸で消化吸収がされにくいため食後の血糖値を低く抑え、大腸まで届いての善玉菌のえさにとなり大腸フローラを整えます。甘藷澱粉としてのデーターが見つからなかったのですがレジスタントスターチは馬鈴薯が0.6g、さつま芋が2.1g(100gあたり)とあり、片栗粉(馬鈴薯澱粉)では75%がレジスタントスターチとのことです。参考:日経Gooday2016年10月17日掲載 「炭水化物なのに太らない 秘密はレジスタントスターチ」ヌローライフ、NHK美と若さの新常識、ekouhou.net「特許公開2011-84674」

 卵は黒猫スイーツでは花暦以外のスイーツに使われており使用量も多いので品質には特に気を付けております。 基本的に九州産で平飼いです。     欧米を中心にアニマルウエルフェアという見地から狭くて身動きが取れないバタリーケージを廃止し、自由に動き回ったり羽ばたいたりできる平飼いでの養鶏が広がりを見せています。当店ではアニマルウエルフェアの考えに基づいた環境で育てている農家・農場様を選定しております。餌の都合でレクチンフリーではありません(いつかレクチンフリーの卵が作れたらいいなと思います)。また、主に卵をお願いしている椛島農園様は他県ということもあり急に足りなくなった時のため複数の農場様の卵を使用させて頂く事にしました。使用卵の農場様はその都度お知らせしたいと思います。

椛島農園様(熊本)  鶏舎内放し飼い(平飼い) 鶏舎内放し飼い(平飼い)以前は放牧されていたそうです。餌は国産100% 地元熊本産の無農薬の野菜や緑餌(青草)、地元の米、麦、大麦、大豆、米ぬか、かつお節、いりこ(鹿児島、熊本産)、塩(長崎)、牡蠣殻(広島)、など安全で安心な食べ物が与えられています。良い環境、良質な食べ物で健やかに愛情を持って育てられた鶏の特別な卵です。着色料であるパプリカ等は使用しないので黄身の色はレモンイエロー。抗菌剤などの問題が多い魚粉を含みませんのでアレルギーを起こしにくく特有の臭みがありません。 風と光が当たる鶏舎でゆったりと 育てられています。薬剤は使わずにんにくや酢等で健康管理されたり、鶏たちがストレス少なく暮らしていける養鶏を目指されています。餌や農業に対する姿勢にも感銘を受けますが『自分の子供に食べさせたい、ということの延長で、求めてくださる方に食べていただければいいな、という感じでぼちぼちと養鶏を続けていますというところもとても共感できます。

■やまあい村様(熊本) 鶏舎内放し飼い(平飼い)以前は放牧されていたそうですが、周辺地域への鳥インフルエンザへの配慮により現在は鶏舎内放し飼いとのことです。抗生剤、薬剤不使用。(どうしようもないときのみ獣医師に見せるとのこと)餌はNON-GMOトウモロコシ(アメリカ・オーストラリア産)・牡蠣殻(瀬戸内産)・魚粉(ペルー産)・牧草粉末(カナダ産)・リンカル(中国産)・くず米(熊本県産)・米ぬか(熊本県産)・海藻粉末(カナダ/ノルウェー/デンマーク)・炭酸カルシウム(熊本)・炭粉末(島根/宮崎/鹿児島/大分/熊本)、特にトウモロコシ以外の地元産の穀物や自家製の無農薬野菜の比率が多く、そのため季節により成分や味が異なることがあるそうです。近くの自然食品店にて手に入ります。

みのり農場様(佐賀) 鶏舎内放し飼い(平飼い)有精卵 以前は外で放し飼いをされていたそうですが、寄生虫対策のために現在は鶏舎内です。餌はトウモロコシ(海外産、ポストハーベストフリーではない)、大豆搾りカス、海藻、にんにく、米、グルテンミール、乳酸菌・酵母菌・納豆菌を発酵させたもの、魚粉(青森・酸化防止剤無添加) トウモロコシは毎日挽いた新鮮なものを与えておられるとのこと。ポストハーベストフリーでも管理が悪くかびが出たり、古い餌を与えては健康な鶏にならない。また、燻蒸や残留農薬の問題もあると熱く話されてました。鶏の健康管理には大変気を使われており自信を感じました。みのり農場さんの鶏は内臓を見るととても健康だそうです。確かにインターネットでの販売は表面上の表示やイメージにばかり目を奪われてしまいます。また、ポストハーベストフリーではないにせよ、餌にはこだわりを感じました。みのり農場さんの卵は実(じつ)があると思い、使わせて頂きます。近くの自然食品の店で手に入ります。

ココナッツオイル 中鎖脂肪酸が豊富ですぐにエネルギーになり、蓄積されにくい特徴があります。また、コレステロールや中性脂肪を下げる効果や、認知症の症状改善の報告もあります。酸化に強く安定しています。ココナッツオイルはオリーブオイルのような個性の強い風味がなく、太白ごま油のようにリノール酸を多く含まないので(高リノール酸はアレルギーを起こす原因になりうることがあります)安心してめしあがっていただけます。また、アニマルウエルフェアの見地からサルを労働に使役しない国のものを選定しております。参考:認知症予防コラム

甘味料  黒猫スイーツではオーガニックシュガーを使用しております。

素材が持つ自然な甘さを生かしておりますので、一般のお菓子よりかなり少ない甘味料の使用となっております。(例えばマドレーヌの砂糖は同じ型で作られている小麦粉レシピのほぼ半分です)また、一つ一つを小さめに作っています。お菓子は主食ではないので『楽しみ』として少しだけ頂く、という考えです。

スイーツを作る上で一番悩まされたのがこの甘味料で『食のパラドックス』のガンドリー氏は、甘味は基本的にダメという考えでどうしてもというならステビア、羅漢果、チコリ、ヤーコンシロップ、イヌリンを適量に摂取するとのこと。ちなみに人工甘味料は善玉菌を殺し、悪玉菌を過剰繁殖させるそうで、スクラロースをわずか一包飲んだだけで、小腸内細胞叢の50%が死滅したという研究があるそうです。(『食のパラドックス』より)(そもそも人工甘味料は嫌いなので使用しません。)

かと言って甘味がないとスイーツではないのでまさに『パラドックス』であると言えます。甘い味だけではなく、砂糖にはしっとりとして柔らかな風合いを出したり日持ちを良くしたりという役割があります。試行錯誤の末ガンドリー氏の限られたOKフードより羅漢果とステビアを、OKではありませんが自然な甘さのきび砂糖を選定させて頂きました。ビーツシュガーも候補としてはありましたが、オリゴ糖がたったの5%ほどであるのと、放射能を吸い上げやすい性質があることから候補から外しました。他にチコリーですがこれは血管収縮作用があり、視力の低下につながるという記事がありましたので使わないことにしました。(今後変更の可能性あります)2023年5月より、ステビア・羅漢果顆粒の使用は中止いたしました。

■きび砂糖(オーガニック)  ブラジル産の砂糖です。自然な甘さを求める方にお勧めです。甘さの他にお菓子らしいしっとりとした柔らかさを出したり、日持ちさせたりという効果も期待できます。当店では必要最低限の量を使用しております。

アップルファイバー 主にリンゴの皮を含む食物繊維です。(搾りかすを乾燥・粉砕したもの)水溶性と不溶性の食物繊維が含まれており、腸内にて善玉菌を増やして悪玉菌を減らし、腸内環境を整え良いお通じに導きます。ポリフェノールも豊富で免疫力UPや活性酸素の除去などが期待でき、ペクチンを含んでいるのでセシウム等の放射線核種の排出に効果を発揮するといわれています。経管栄養食などにも使用されています。日本は農薬の使用量が多いので、国内産は避けて基準の厳しいドイツ産を使用しております。

アーモンドプードル 皮を取り除いたタイプです。食後血糖値上昇抑制、血清インシュリン濃度の低下、抗酸化作用等の実験結果があります。(ジェンキンス博士The Journal of Nutrition.136,2006)血糖値上昇抑制効果は皮つきでも皮なしでも大きな差はなし。参考:グリコ健康科学研究所

サイリウム(オオバコ種子殻粉末) 緩下作用(便秘に効果)、総コレステロールやLDLコレステロール、トリグリセリド値の減少、HDLコレステロールの増大の報告あり。腸管からの糖分の吸収を抑え、血糖値を低下させる働きが確認されています。抗炎症作用あり。参考:メディカルハーブの事典、日本のメディカルハーブ事典

アロールート(クズウコン) 安全でベビーフードのとろみ材に使用されています。たんぱく質がとても豊富でグルテンがなく、ビタミンB9、銅、鉄、マンガン、マグネシウム、リン、亜鉛等のミネラルも含みます。セリアック病の緩和や過敏症腸症候群の人の下痢を治す効果が期待されています。銅と鉄は貧血の予防に。また、胆汁の分泌を促すことからコレステロール値の改善が期待されます。参考:クズウコンの健康的効能 (mercola.com)

重曹 当店ではマドレーヌにのみ膨張剤を使用しております。安全性を考え、ベーキングパウダーではなく『重曹』を使用。完全無添加をご希望の方は、マドレーヌ以外をお選びください。

シークワーサー(青切り) 脳の神経細胞のネットワークを再生、血糖値の上昇抑制、発がん抑制、慢性リウマチの予防効果があるとされるノビレチンを豊富に含みます。 参考:東北大学アルツハイマー病の予防・治験トップ、ノビレチンとは (掲載許可のためご連絡したところ、ヒトでの効果は必ずしも証明されているものではなく、これからも検証を重ねる必要があるとのことでした。現在この研究室はないそうです(2021.11.11))